ギャグマンガ日和
□プラネタリウム
2ページ/3ページ
その星は、私が世界で一番愛しいと思う人の名前になった。
その眩い光が、目の前を通るコトに気付いた。
「待て妹子!!!!」
その光は貴方みたいに美しく、聡明な青。
何者にも囚われない、そんな美しい輝きがあった。
この光を捕まえれば、何となく―
君が私に振り向いてくれるような気がして。
ただの、思い込みに過ぎないけれど。
「あっ!」
思ったよりも容易く、それは手に入ってしまった。
その時感じたのは喜びではなく、甘い気持ちでもなく、失墜感―――
「違う・・・」
だってこの光は―似てるけど君じゃない。
私は君を振り向かせた訳じゃない。
いま私が握っているのは、『ただの幻想』―・・・。
「どうしたんですか、太子」
「!ココは何処だっ?!」
「僕の家ですよ。全くもー、人の家で倒れないで下さいよ。突然プラネタリウムやるとか言い出して・・子供じゃないんだから・・・
心配して来て良かったですよ」
「倒れた?私が?」
「えぇ、てゆうか熟睡してました。
まぁ人は暗い部屋に入ると眠たくなるって言いますもんね。それにしてもビックリですが」
「・・・。」
「一体、何をしてたんです?
しかも何かずっと魘されてたし・・・」
「・・・ごめん」
「良いですか、太子は国にとって一番大切な方なんですから。そんなフラフラしてるようじゃ困るんですよ、規律が必要なんです。
だいたい太子はですね―」
ぐちぐちぐち・・・
彼のお小言は、30分にも及んだ。
「聞いてよ妹子」
「聞きません」
「そんなコト言わずにッ」
「はぁ・・次は何ですか?」
「妹子に似た星を見つけたんだ!」
「はぁ?頭かち割りますよ?」
「かち割らんといて!ほら見てくれ!
私の手の中に―アレ?」
さっきまで手元にあったハズの光が、跡形もなく何処かへ消えてしまっていた。
せっかく捕まえたのに―妹子が何処かへ行ってしまったような気がして、悲しくなった。
「・・ふぅ、全くホントしょーがない人ですね・・どうせ僕が居なくなる―なんて勝手に思い込んで落ち込んでるんでしょうけど」
「!」
「あのですね、太子。
僕は目の前に居るんですよ。
代わりなんて必要ないでしょ?
それとも代わりがほしいんです?
違うでしょう」
「―そうか」
「そうですよ。
アンタには僕が居るんだから、
それに―」
「それに?」
「//な、何でもないですっ」
「最後まで言えよ・・気になるだろ〜」
「いっ・・言いません!
貴方がちゃんと仕事してくれたら話は別ですけど・・」
「よーしじゃあ頑張るぞ〜」
「今のは冗談です!あ〜〜〜〜・・・
僕のバカ!!!///」
♪消えそうな位輝いてて
触れようと手を伸ばしてみる
一番美しいあの星の名前は、僕しか知らない―僕にしか見えない、、、