銀魂

□涙雨
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だからそう、

まだ貴方から離れたくない。

「良いんじゃねーか。

お前の居場所は、元々此処じゃなかったんだしよ。」


…なんでそんな事を言うの?

…私の居場所は、『此処じゃない』?

行かないで、銀ちゃん!遠くに行かないでヨ!!!

「神楽ぁ。…サヨナラとしようや。」


今のは、銀ちゃんの声…?

何で手ェ振ってるの…??

どうして振り返ってくれないの…???

「薄情な奴等だな。結局、お前が勝手になついてただけだったんだな。」

違うヨ、パピー。

でも、それを証明出来ない。

色んな思い出がある。だけど、最後は、、、

「…」

「ま、今までの事は忘れるんだ。大丈夫。もう二度と、お前に寂しい思いはさせないよ。」

パピーはそう言って微笑み、片手を私の肩においた。

「おや、雨だな。」

冷たい雫が、頬を伝う。

「雨宿りしようか。」

「うん。」

パピーに連れられ、近くのファミレスに入った。

テーブルの前には、でっかい窓があって、そこから景色が見えた。

スコールの雨・遠くで、雷鳴も聞こえる。

私は、雷が怖かった。

だから、雨が降るときは、いつもぎんちゃんの腕にしがみついていた。

その腕は、優しくて強い。そして、とても温かかった。

私は、そのぬくもりを思い出して泣きじゃくった。

パピーは、何も言わなかった。


もう一度、会いたい。

もう一度、触れたい。

だけど、銀ちゃんは私の事を…



雨よ、どうか止まないで。

いっその事、全てを流れ消し去って…

一人よがりな、この想いの全てを――
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