銀魂
□anywhere
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どこからか、キャーという悲鳴が聞こえる。凍っていく店内も、銀ちゃんに全て向けられている。
「よく聞けェ!俺の要求はただ一つ!今、店内にいる《全ての天人を排除》しろ!アイツ等のせいで、この江戸は滅んでゆく!奴等の横暴な振る舞いをこれ以上許す事はできぬ!」
もしそれが出来ないのであれば、手に持っている'爆弾'で、人質を殺す―
「オイオイ」 それでも怖い知らずの銀ちゃん。両手を上げているのかは分からないけれど、テロリストに何かを説得させているようだ。
「冗談し゛ゃないよ、全く」
「・・何が言いたい?」
「こんな面倒臭ェコトに何でオレが巻き込まれなくちゃいけない訳?」
「成り行きだ」
「ここにいる天人を全員殺したって、江戸には何百何千の天―
黙れ
男の重く低い声が聞こえる
「ねぇ・・あまり僕を怒らせないでくれるかな?こう見えても、結構短気な性格だからさァ」
「テメーみてぇな奴、俺ぁ大嫌いなんだよ」
「…あまり調子に乗るなと言った筈だ」
「殺したきゃ、殺せよ。そんな安物の刀で俺を斬れると思うなよ?」
「生憎だが」
直後に、銃音が響き渡った
―銀ちゃん!
コイツ・・・
刀だけじゃなく、銃まで持っていたなんて・・・
助けなくちゃ…
でも、体が動かなかった
恐怖とか
絶望とか
そんなんじゃない
息が苦しくて
咳が止まらなくて
白い渦の中に、私は消えていった