drrr!
□あぁ、神よ!
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「なぁ静雄。お前って最強無敵だけど、怖いもんとか一つもねぇの?」
とある昼下がりの午後.
暇を持て余した俺は、上司のトムと一緒に近くの街をぶらぶらと歩いていた.
「怖いもの?実は俺・・・」
「野暮な質問だったな、お前に怖いものがあるだなんて。悪ィ、今の質問忘れてくれ」
俺の言葉を遮り、彼は気まずそうに手を振った.
「や、実はさ・・・ガキの祭りなんだが・・・[妖怪首吊り屋敷]これに行ってくんねェか?」
差し出された一枚の紙.
どうやら、町内会の祭りの一種らしい。日にちは来週の火曜日.スケジュール的には会社は休みだし、不都合な事なんて何一つない.
ただ一つあるとすれば・・・
「どうした?顔青いぞ?」
「いえ・・・何でも・・・」
「そんなに嫌なら行かなくても・・・無理すんなよ?」
「大丈夫っす。でも何でお化け屋敷なんか・・・事件でも起きるとか?」
「いや、ただの調査だ。最近巷に変な奴が出没するって噂がたっててなぁ・・・N市で起きた一家殺人事件の犯人だという噂もある。
そいつがどうやら、臨也の妹を狙ってるらしい」
臨也―俺が世界一嫌いな男。アイツのせいで俺の青春も、日常も―青筋が立ったが、すぐに思い直す。妹は関係ない。俺の使命は幼い姉妹を救う事。悪から弱きものを助ける事。