銀魂
□肩に担いで
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それは、買い物の帰路途中でのこと。
買い物、といってもただの「ジャンプ」なのだが…
で、当然の如くウハウハラララの銀時は、それを大事そうに抱えて、歩いていた。
(あ〜今週も楽しみだな♪とくにブリー○!愛染と一護はどーなってるんだろぅな??やっぱ愛染は…)
なんてなんて想像に深入りしすぎた銀時は―。
「うおわッ!??」
段差のある階段につまづき、転んでしまった。
膝元からは、うっすら血がにじんでいる。
かすり傷とはいえ、結構痛かった。
「う〜歩けねェ…」
フラフラと立ち上がる銀時。
そこへ―
「銀ちゃん?」
耳元で、聞きなれた声がささやく。
「どうかしたアルか?そんな道端に座り込んで。」
「何でもねェよ。ちょっとつまづいただけだ」
「でも、血出てるよ。拭かなきゃ」
そう言って神楽は、おもむろに内ポケットからハンカチを取り出した。そっとハンカチを傷口に当てて、フーフーと息を吹きかけた。
「ちょっ…やめ//神楽、くすぐったい」
口息で弄ばれるその感覚に、少しだけ酔ってしまった。
「えへへ。マミーが怪我した男はこうやれって言ってたネ」
「お前のマミーって凄ぇな…」
「銀ちゃん歩けないでショ?私が負ぶってあげるヨ」
「いーよ別に」
「恥ずかしいアルか?」
「別に恥ずかしくなんかねーけど…
男のプライドって奴だぜ」
「万年金欠ダメ男が何言ってるアルか。
怪我したら助ける。これ、常識ネ。」
「あいあい・・ってえええ!?」
ひょい、と軽々しく銀時の体を自分の背中に乗せ、
これまたひょいひょいと道を歩きはじめた。
つまり―
「逆オンブ!?」
とまあ、そんな状態になったのである…
「私、人間よりも力強いネ!」
「イヤ…そうでも、この構図はちょっと…」
どう見てもオカシイこの状況。
真昼間からジャンプ片手に死んだ目の魚のオッサンをあどけない幼女がそれを背負っている。
どーみてもコレは…
「そこの通行人!幼児虐待で逮捕する!!」
「えぇえええええええええ!?」
「私幼児じゃないネ!!!」
―と、こうなる前に。神楽の肩からするり、と抜けて逆の逆のおんぶをしてやった。
「…!銀ちゃん!?」
「この方が自然だろ?」
「なっ・・怪我人がそんなコトしちゃいけないアル!」
「子供にオンブさせる親が何処にいるかってんだ」
そっとさらっと口から出た言葉が
「…私、銀ちゃんの子じゃないヨ」
「子みてーなモンだろ」
何気なく交わしたヒトコトが
「あ〜なんかホントに子供欲しくなっちゃったよ銀さん。
ちょっと神楽手伝ってよ」
「馬鹿。」
「銀さんちょっぴり残念」
「『ちょっぴり』て何アルか?そんなに子供欲しいなら姉御につくって貰えヨ」
「嫉妬すんなって」
「//してないヨ!!」
何げなく交わした冗談が
いつしか2人の想いを繋ぎ合わせて
「銀ちゃんの髪の毛、クシャクシャにすると面白いネ♪」
「あ〜触んなって。何度言えば分かるんだよ?」
「120万回」
「そんなに俺の髪の毛好きかぁ?」
「ウン。銀ちゃんも好きヨ」
「・・//(それって、本気なのか?)」