銀魂

□涙を隠さないで
1ページ/2ページ

神楽ちゃんの病気は、本人は勿論僕と銀さん以外誰も知らない。

それは、良い事だし悪い事でもある―

もし、神楽ちゃんが死んだら・・・

ううん、そんな事考えたくはないけど。。



『覚悟』


姉上や色んな人が悲しまない様に。

姉上の、あんな表情(カオ)をもう見たくないんだ。

それで今、あのオンボロ道場(ていうか僕ん家?)に来ている。

「新ちゃん。…大切な話って何?」

「実は・・・」

あまり上手くは話せなかった。

何度も何度も言葉が詰まる。

ヨメイ1ッカゲツ・・イツ倒レテモオカシクナイ・・覚悟ヲ、決メテ下サイ・・

姉上は、一言も喋らず、話を聞いてくれた。

気付くと、目に涙が溜まっていた。

(一番ダメなのは、この僕だ…)

「男が泣くな。」

いつから話を聞いていたのか、ふすまの奥から九兵衛さんの顔が見えた。

「色々大変のようだな新八君!!!お妙さん!!俺に出来る事なら何―」

「アラ?何処から沸いて来たのかしら…こンのストーカー野郎がァァ!!!」

ドカッ

気のせいかもしれないけれど、蹴りを入れる姉上の力がいつもより弱かった

きっと、それだけショックなんだろう・・・

無理もない、今まで本当の姉妹の様に可愛がっていたんだから―

「ちょっと私、厠に行ってくるわ。」


「姉上・・・」

でも、人前では決して泣かないんだ。

隠した涙に気付いたけれど、

気付かぬフリをして

僕は万事屋に帰った。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ