・ Saint Beast
□星獣学園 ルカSIDE
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同室といってもこの寮の二人部屋は広い。
ベッドもデスクも洗面台も、シャワー以外の全ての物が別々に完備されている。
━━━━━━━━━━━━━チュンチュン、チュンチュン
( 《鳥のさえずり…、もう朝か》 )
『お。起きたなヒロ、おはよう』
《おはようございます、ルカ先輩。》
ルカは先に起きてシャワーを浴びていたようだ。
下半身だけをバスタオルで巻き、濡れた髪を拭きながらシャワー
室から出てきたルカを、ヒロは思わず見つめてしまった。
____《わぁ…、綺麗な体だ…》
鍛え上げられた逆三角の肉体はまさしく男の曲線美そのものだ。
無意識のうちにポーっと見とれているヒロの視線に気づいたルカは、ヒロを振り
返って言った。
『どうしたんだ。お前も浴びてきたらどうだ?』
《は…はい!》
ヒロは自分がポカンと呆けていたのに気づき、急いで着替えの準備をしてシャワ
ー室に飛び込んでいった。
ノロノロとシャワーを浴び着替えて戻ってみると、ルカが待っていた。
『用意ができたら一緒に朝食に行こう。食堂でもうユダが待っているだろうし』
《ぼ、僕なんかが一緒にいたゃダメです!!》
『どうして。ルームメイトと一緒に食事をして何がいけないんだ』
《いぇ、一緒にいるのが僕っていうのがダメなんです…》
『そんなことは心配しなくていい。
それと…、"僕なんかが"発言は禁止な』
ルカはまだ不安そうなヒロに優しく微笑み、背を押して食堂に向かっていった。