・ Saint Beast
□リンゴと嫉妬
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ユダ…、僕のユダ……
誰にも渡さない!!!!
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ユダのそばにはいつも誰か邪魔者がいる。
少年天使だった頃にはルカとかいうヤツがずっと近くにいたし、、
青年となった今はシンとかいうヤツが大した能力も無いくせにいつもユダにくってい
ている。
全く。
どいつもこいつも目障りな奴らだ。
どうして僕だけがこうして岩影から眺めることしかできないんだ!!
あッ、また!!!!――――――――
「シン、どうかしたのか!?」
〔あ、その…精霊祭の準備で薔薇を集めていたら棘で…〕
「そうか。小さな棘とはいえほうっておけば傷が残ってしまう」
ユダがシンの傷にそっと口づけると、たちまち跡形もなく消えていった。
━━━━あ〜ッ!!ユダ!シンなんかのためにそんなことを!!!!
というかオィ!シン!! お前その程度の傷でいちいちユダの手を煩わすな!!
{……、こんなところで何してるんだ?シヴァ。
精霊祭の準備はまだ終わってないぞ。}
いきなりの背後からの声にビクッとして振り返った。