・ Saint Beast
□星獣学園高等部
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――――ここは都内でも有名な私立、星獣学園。
中高大一貫教育の寮付き学校だ。
全寮制ではないため毎年の通学生と寮生の比率はだいたい等しいのだが、去年・今年の入寮率はほぼ100%。
その理由は、この学園にはSBと呼ばれる人気者集団があるからである。
4人の執行部と3人の学年代表で構成された生徒会のメンバーがそのSB、
正式名称Special Boysだ。
今日はその星獣学園の始業式。
大ホールに集まった高等部約500名の生徒たちはSBに会うのを楽しみに待っていた―――――
―あッ、見て!ユダさんだ!
――ホントだ。ルカさんや他の生徒会の人たちもいる。
―――すごいよなぁ。俺あの人たちと同じところで生活するのが楽しみだったんだ。
「みなさん、おはようございます。今日から新しい学年が始まります。
長期休暇を有意義に過ごすことができたでしょうか。
今年度は寮生がとても多いですので、学校だけでなく寮でもお互い助け合って仲良くしてきましょう。」
生徒代表として壇上で挨拶をしたユダを、たくさんの生徒が目を輝かせて見る。
『今年もたくさんの良い生徒が上がってきたな、ユダ』
ユダのそばに控えていたルカが言った。
――――――生徒会室にて…
〈ユダ、素晴らしい挨拶だったよ!! さすが僕のユダ!〉
〔ちょっとシヴァ、先輩を呼び捨てにするのはやめなさいっていつも言っているでしょう〕
〈ユダがいいって言ったんだからいいんだ!レイなんかに言われる筋合いないだろッ〉
〔なッ・・・!!〕
「レイ、シヴァいい加減にしろ。2人ともそんなくだらない事でいつまでも騒ぐな」
〔TPOくらいわきまえなさいと言ったんです、シヴァ〕
「とりあえず、各学年代表はもう用事が無い。HRに戻って大丈夫だ。
執行部はまだ少し残ってくれ」
〈僕も手伝うよユダ!〉
『・・・、聞こえなかったのか?ユダは戻れと言ったんだ』
ルカに睨まれて怯んだシヴァはしょんぼりしてゴウ、ガイと共に生徒会室を出て行った。