・ Saint Beast

□レイの焦りとルカの困惑
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遥か昔、天界に存在する14人の上級天使の中から6人の天使が選ばれた。



大神ゼウスは彼らを六聖獣と名づけたのだった━━━━━━━




六聖獣に選ばれし者のみ住まうことを許される広く美しい邸、天空城。




ユダを長とする6人がそこに住みはじめてからあっという間に半年も経っていた。







城内のキッチンルームで得意の料理をしながらレイは1人物思いに耽っていた。




━━━━━あの人と初めて言葉を交わしたのは僕たちが青年天使になった日。



大空を銀の翼で舞うあの人をいつも見つめていた。



青年天使になった時に自分も大羽を授かり、声をかけるきっかけができた。



僕が自分の翼を見せるとあの人は優しく微笑み、美しいと誉めてくれた。



そして一緒に大空を舞い、どこか遠くへ行ってみようと誘ってくれた時、僕はど
んなに嬉しかったか。━━━━━━━






あの人…、ルカとはそれからとても親しくなり、大空を翔けたり他愛の無い話を
したり手料理をご馳走したりと、そんな些細なことだけでレイは幸せを感じてい
た。





ただ1つだけレイには気がかりな事があった。
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