F
□faint love
2ページ/15ページ
「ほら、コーヒーとクラブサンドな」
「ありがとうございます」
手元を休めカップを持った。
「ふぅ…」
「昼飯くらい仕事しないで食えないのか?」
「そうしたいんですけどね…午後からの会議の資料のチェックをしなくちゃいけないんですよ」
手に持ったカップを口に運びコーヒーを一口飲み、俺はまたキーボードをカタカタと打ち始めた。
「たいへんだねぇ、お前さんも」
「まぁ、父の会社ですからね…会議とかは俺が取り仕切るように言われて仕方ないんですよ」
アスランは苦笑した。
アスランが働いてる会社は
父親パトリック・ザラの父親
つまりアスランの祖父が立ち上げた企業である。
現在はパトリックが社長であり、アスランはパトリックの命により一般の社員達と働いている。
パトリックも昔、
父親の命でアスランと同じように一般社員と働きながら勉強し、実力で出世し、社員が認める社長になったのだ。
そういう実績があったからこそ、アスランにも下から始めるよう命じたのだった。
「まぁコーヒー冷めないうちに飲むんだぞ!」
そう言いバルドフェルドはカウンターに戻って行った。
.