−夢に呑まれる。−仙薬
□それは、痛み。
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人々の笑い声が溢れる夏祭りを歩いていて、ふと彼は立ち止まった。
「どこか見たい所はあるか?」
彼の問いかけに少し考えてから彼女は答えた。
「先程、通り過ぎた飴細工のお店がもう一度見たいです。」
彼はその答えにろくに返事もしないまま今来た道を戻り始めた。
その背中を彼女は慌てて追いかけた。
今日はいたばかりの草履の鼻緒が少しばかり痛かった。
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