Keep a secret
□やり直しです
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腰の動きを止め、濡れた手を自分のTシャツで雑に拭いてから綾瀬さんのスマホのロックを解除する。
『既読無視かよー! 恥ずかしかったの?』
前山田は既読が付いたことに気付くと追い打ちでスタンプを送ってくる。そのやりとりはとても近しい関係性に見えた。
俺の眼下に横たわる綾瀬さんの熱で潤んだ瞳には不安の色が混じっていた。不安からなのか、俺のを根本まで飲み込んでいる秘所がきゅっと締まる。
大好きな綾瀬さんの中だ。気持ち良い。心地いい。彼女の中は俺の形に合わせて拡がり、全てがしっくりきている気がした。
綾瀬さんの体がどれだけ温かくて柔らかくて気持ち良くて特別であるか、俺は知っている。この幸福な場所を他の誰かに明け渡すことなどできない。
黒く濁った、汚い何かに心が侵食されていくのをもう止められなかった。
「俺と付き合ってるから二度と近寄るなって送ってください。今すぐに」
「だ、だから日向だって本気じゃ――ひぁっ、あっ、あっ!」
「前山田でしょ?」
「うぁっ、ああっ」
綾瀬さんを深々と貫いて、激しく突き上げる。ぐちゃぐちゃの内壁が締め上げてくる感触に俺も我慢できそうになかった。
「んっ……綾瀬さん、送らないならこのまま中に出しますよ」
「やっ、やだ! 待ってお願……っ」
「ほら、送れますね?」
「あっ、は……っ、んっ、んんっ」
スマホを握らせると、彼女は喘ぎながらも画面に指を滑らせる。
俺に孕まされたくないから必死になっているのかと思ったら面白くなかった。
綾瀬さんは前山田が好きなんですか? 前山田になら中出しだって許すんですか?
……綾瀬さんの本当に好きな人が知りたいよ。
「まだですか? 僕……も、出そうです……っ」
「ひぁっ、腰止めて! や、やぁっ、おく、送った……っ」
うごめき吸い付いてくる内壁に擦りつけながらガツガツと突き上げると、綾瀬さんは喉を反らして達したようだった。手から離れたスマホがソファーの下に滑り落ちる。
「く……っ」
綾瀬さんの中は具合が良すぎる。
俺ももう限界だった。激しく締め付けてくる中から自身を抜いて、中途半端に履かせたままのショーツの上に欲を吐き出した。
前山田が選んだ、前山田に見せるために買った下着が、俺の精液でどろどろに汚れている。さっき風呂場でも出したから今日二度目の射精だが、いつもより多く出ていた。
その光景に高揚感を覚えながらスマホを拾い上げる。
『ごめん。私は時谷くんとたつててほことりにいかさはなゆまかたあああてかたやた』
「何ですかこれ。時谷くんと、の後から打ててないじゃないですか」
「あ……だ、だって」
確かに前山田に向けて送信されているが意味不明なこんな文章では当然駄目だ。
俺はローテーブル下の収納に手を伸ばし、ハサミを見つけ出す。
「やり直しですよ。綾瀬さん」
「えっ」
ぼんやりした様子で横たわっていた綾瀬さんはハサミに気付くと目を丸くして、上体を起こす。
「じっとしていてくださいね?」
シャキン――
「……っ」
手に持ったハサミを開いて空を切って見せれば綾瀬さんは無言でこくこく頷く。
ハサミでブラ紐を挟む。その際冷たい刃を柔い肌にそっと触れさせると、彼女はびくりと震えて大きく喉を上下させた。
「あははっ、可哀想に。怯えてるんですね」
肩紐を両方とも切断し、次はブラジャーのカップとカップの間の細くなった箇所でぐっと力を込める。切れ味のいいハサミは通っているワイヤーをも切断した。
強制的に外されたブラジャーは肌の上を滑り落ちていった。
ぐちょぐちょになっている下着の両サイドにもハサミを入れて取っ払う。最後に邪魔なTシャツを脱がせたら綾瀬さんの全てが俺の目に晒される。
「あーあ。これで"日向"に勝負下着見てもらえなくなっちゃいましたね」
「……っ、う……っ、く……っ!」
それがそんなにショックだったのか、ついに綾瀬さんの瞳から涙が溢れた。ソファーの上からずり落ちて、ラグの上にぺたんと座って泣きじゃくっている。
「綾瀬さん」
「きゃあっ」
俺は容赦なくその体を押し倒す。慌てて起き上がろうとする彼女をうつ伏せにして、再び熱を持ち始めた自身を淫裂に押し当てる。
「やっ、嫌っ! やめて!!」
「は……すご。本当のレイプみたい」
這いつくばって逃げようとする綾瀬さんのお尻を鷲掴んで左右に広げると、濡れそぼった割れ目がよく見える。
先ほどの挿入前は閉じられていた膣口が今はぱっくりと開いて俺を誘っていた。
前へ前へ、少しでも俺から離れていこうとする綾瀬さんのお尻を固定し、完全に勃起した自身をそのぬかるみに沈めていく。
「ねぇ、綾瀬さん。このままずっと繋がっていましょう? どろどろのぐちゃぐちゃになって二人溶け合うまでずぅーっと」
「んっあっ、時谷くっ、待っ! やっ、ああっ」
拒絶の言葉に反して綾瀬さんの内側は俺を歓迎するようにきゅうきゅう締め付けて、最高の快楽をくれる。
レイプみたい、じゃなくてレイプしてるのか。綾瀬さんが前山田じゃなくて俺を選んでくれるまで、俺は何度だって彼女を犯すだろう。
「はあっ、綾瀬さんの中熱い……ちんこ溶けちゃいそうです」
「ひゃっ、あっ、あっ!」
くねる腰を掴んで夢中で腰を打ちつければ、結合部からぐちゅぐちゅと激しい水音がする。俺が腰を引くたびに二人の体液が混ざった滴が飛び散っていく。
綾瀬さんの反応を見ながら角度を変えて何度も何度も内側をえぐる。
「ひ……っ、あああっ!」
ぐずぐずになった最奥をノックするように突き上げると、綾瀬さんは一際大きな嬌声をあげた。
「ん……ここ? ここがいいの?」
「やっ、あっ、あっ、そこばっか!」
自身の先で感じる綾瀬さんの子宮口を一定のリズムで、しかし狙いを外さず責め立てる。固く膨れ上がった欲望を綾瀬さんの弱いところにトントントントンと執拗に押し当てる。
「〜〜っ!!」
すぐに綾瀬さんは身体をしならせ、声にならない声を上げて絶頂した。中が脈打ち、俺をきつく締め上げる。
「ははっ……綾瀬さんわかってますか? レイプされてるんですよ。なのにまた僕のでイったんですか?」
「ふぁっ、あ……はぁっ」
「ん……綾瀬さん。僕は綾瀬さんが好きです」
「んんっ、あっ」
イった直後で痙攣している膣内の感触を味わいながら、彼女の子宮口に先端を擦りつけ続ける。
俺にされるまではオナニーでイッた経験すらなかったのに、こんなに感じるようになって、俺ので中イキできるまで体を許してくれた綾瀬さんが愛おしい。
腰をのけぞらせ、本能のままに乱れている姿が綺麗だ。俺しか知らない綾瀬さんを目に焼き付けたい。
「ねぇ、綾瀬さんも僕のこと好き? 好きですよ、ねぇっ?」
「っ、あぁぁっ! やぁっ、イッたばっかだからぁっ」
後ろから覆いかぶさって耳元で囁くと彼女は一層可愛い反応を返してくれる。
可愛い。可愛いなあ。目眩がするほどの興奮に、俺もまた限界がきていた。でも抜きたくない。綾瀬さんをまだ、もっと、ずっと、感じていたい。
「――っ!」
それから綾瀬さんが何度も連続で達した後、また心をかき乱す音が鳴り響く。
前山田からのライン通話だった。さっき変な文章を送ったからだろう。虚ろな目をして喘いでいるだけだった綾瀬さんの心が少し現実に戻った気がする。
うるさいな。耳障りだ。俺と綾瀬さんの邪魔をしないで。
俺は彼女のスマホを手に取った。
『あっ、七花?』
「綾瀬さんに何の用?」
お気楽で呑気な声に短く返事をする。
俺の行動は予想外だったのだろう。慌ててスマホを取り返そうとこちらに手を伸ばしてきた綾瀬さんをあやすように陰核をつまんであげる。
声を上げないように両手で口を押さえた綾瀬さんがいじらしい。
『え……と、き谷?』
「そうだけど。用件は何?」
『は? えっ、いや、何で時谷が……』
電話口の前山田も電話に出た相手が俺だったことに馬鹿みたいに驚いている。
「用件は?」
「んん……っ」
包皮を持ち上げて剥き出しにした陰核の芯を撫で擦りながら腰の動きを再開する。最奥から膣口まで、綾瀬さんの粘膜全てが俺を締めつけて離さない。
パンパン、パンパンッと俺の下腹部と綾瀬さんのお尻がぶつかる激しい音は電話の向こうに聞こえているだろうか。
『い、いやいや! 七花はどうしたんだよ!? 隣にいんの?』
「っ!!」
「……用がないなら切りますね」
『あっ、待て。時谷!』
綾瀬さんが大きく腰を揺らしてイッた衝撃に俺も耐えられなかった。
通話を切ってソファーにスマホを放り投げると、綾瀬さんの背中に向けて今日三度目の射精をする。緩く扱いて最後の一滴まで絞り出し、綾瀬さんの綺麗な身体を存分に汚した。
「はぁっ、はぁっ」
「きもちいですね綾瀬さん。でも……まだ、ですよ?」
うつ伏せの綾瀬さんの肩を抱いて、仰向けに寝かせる。
「っ、あ……あ……」
何度もイッて敏感になっている体は俺に肩を触れられただけで感じているようだった。
俺の性器はすぐに固さを取り戻し、むくむくと勃ちあがっていく。これからまた自分を犯し、狂わせるそれから目を離すこともできずに綾瀬さんは怯えている。
もっとしなきゃ。俺のが欲しくて欲しくてたまらないと懇願するようになるまで、彼女の身に快楽を教え込むんだ。
「っ、あっ! あっ、んぁぁっ」
今度は正常位で挿入する。
勃起しきった男根を簡単に飲み込んでいくぐずぐずに蕩けたそこを掻き回す。8の字を描くように腰を振ると、バックとは違った刺激に綾瀬さんは脚をピンと伸ばして感じている。
プルルル――
「っ!」
電話だ。視線だけソファーに向けると、また前山田からのようだった。綾瀬さんが俺の下でびくっと震える。
「もう電話には出ないから……こっちに集中して?」
「あっあっ、やっ、あぁあっ!」
真っ赤になった綾瀬さんの耳に口付けて、耳の中へと直接言葉を吹きかける。
綾瀬さんはもうそれだけで達してしまう。俺は休む間を与えず彼女の膣内をかき混ぜ続ける。
呼び出し音が途切れたと思ったら入れ違いで再び鳴り始める。今度はライン通話だ。「ゆかりん」という名前が見える。
その電話が切れてすぐにメッセージが届く。俺は腰を止めると、綾瀬さんのスマホのロックを慣れた手順で解除した。
『通話できない? 前山田からちょっと気になるラインがきて心配になったの』
俺が電話に出たことを不審に思って高橋さんに連絡したのか。
俺の声はきっと平常ではなかったし、もうすぐ日付も変わる時間だ。綾瀬さんがこんな深夜に様子のおかしい俺と一緒にいるのだから、何か良くないことが起こってるんじゃないかと不安にもなるだろう。
俺が逆の立場なら速攻で家を飛び出し、彼女の元に駆け付けていただろうから。
また電話が鳴る。「のんちゃん」という綾瀬さんの友人の一人だ。
スマホの画面を眺めたまま動きを止めている俺を綾瀬さんが静かに見上げていた。その瞳は不安げに揺れている。
「大丈夫ですよ。やめたりしませんからね。ずぅーっと気持ちいいままですよ……安心してイキ続けましょうね」
そう囁いて、耳たぶを口に含んで舌を這わせる。
「っ!? あっ、ふぁっ、あっ、あっ!!」
同時に彼女が感じる子宮口に先端で振動を送るように小刻みに動かすと、綾瀬さんは素直にまた全身を痙攣させた。
綾瀬さんが不安に思っていることが何か、ちゃんとわかってる。俺だけを見ててほしいのにどうして邪魔ばかり入るんだ。
俺が一番綾瀬さんを好きなのに。俺には綾瀬さんしかいないのに。
どうして綾瀬さんは俺だけの綾瀬さんじゃないの。