創作夢

□後日談
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 ストーカー座流星群が願いを叶えてくれたおかげでナニはもう生えていない。
 これにて一件落着、ハッピーエンド。元通りの平穏な生活が取り戻せる――なんてことは湊と付き合ってる限り、あるわけなかった。


「っ、あ……は、早くして……っ」
「もうっ、じっとしてください! ただでさえぬるぬるしてて測りづらいんですから」
「だって」

 そんなこと言われたって湊の指先でクリトリスを容赦なくつままれていたら、その指から逃れようと体は否応なしに動いてしまう。

「天音先輩、自分でおまんこ左右に広げてくださいね?」
「じ、自分で?……こ、こう?」

 私はそろそろと自らのそこに手を伸ばした。蛍光灯の下で湊に秘所を晒すこの羞恥の時間が早く終わってほしい一心だった。

「よく出来ました。じゃあ天音先輩の勃起クリちゃんの成長記録会始めまーす!」
「うぅぅ……」

 この恥ずかしすぎる成長記録会とやらは湊の家で毎週日曜日に行われていた。
 私の両脚の間に熱い視線を向ける湊の手にはノギスが握られている。ノギスは普通の定規やメジャーよりも目盛が細かく、精密に計測することができる。クリトリスの0.1ミリ単位の成長を測るのに向いているらしい。

「皮をむきむきしてー、先輩の可愛いクリちゃんの芯を挟んでっと」
「ん、あ、あ……っ」

 湊の指で包皮を持ち上げられたクリトリスが外気に触れる。自らあそこを広げているせいで真っ赤に充血したそれがよく見えた。
 ノギスの二本の爪で挟まれたクリトリスはびくびくと脈打っている。その小さな器官に血液が集まり、研ぎ澄まされる感覚。
 湊の視線がその一点に向けられているプレッシャーで、私の秘部からはとろりと熱い愛液が垂れてお尻の方に伝っていった。

「んー、先週と変わってない……天音先輩のクリちゃん成長不足ですよ?」
「あ、あ……っ」
「このままじゃおちんちんサイズに成長できませんね。十年後僕のセカンドヴァージンを奪ってくれるって約束はどうするんですか? もっと本気出してください!」
「ふぁっ、ん、あっ!」

 ノギスの二本の爪の幅をせばめて揺らされると、全身に強い快感が走る。約束なんてしてないと言い返したいのに私の口からは媚びるような甘い声が出てくるだけだった。
 そもそも、私の陰核はつつましいサイズだったのだ。湊と付き合い始めてから小指の先っぽくらいまで成長させられたっていうのに、ここから更に男性器と同じ大きさに育てるなんて冗談じゃない。
 だけど、湊は本気らしい。私の股間から男性器が消え、元の体に戻ってからのこの一ヶ月間、陰核ばかり執拗に責め立ててくる。

「仕方ないなぁ。ちょっと内部からマッサージして大きくしましょうか!」
「や、だめぇ! ああっ!」

 まだ慣らされていない中にガチガチに固くなった湊のものが入ってくる。
 湊の性器は私の股間に生えていたナニに比べたら小さいけど、童顔で可愛らしい顔立ちの湊には似つかわしくない、長くて反り返った凶悪な形をしている。でも、普段からそれを受け入れて形を覚えこまされている私の中は湊の侵入を簡単に許した。

「はぁ……中すごい。やっぱり天音先輩のおまんこは最高です、ね……っ、クリちゃんもしこしこしてあげますね」
「あっ、それ刺激つよ……からぁっ!」

 ノギスを外された陰核が今度は湊の親指と人差し指に挟まれ、根元から先っぽにかけて上下に擦り上げられる。

「はっ、はっ……ネットで調べてたらクリリングっていうの見つけたんです。嵌めたらクリトリスずる剥け勃起状態で固定できるみたいです! 天音先輩のクリトリスなかなか大きくならない反抗期じゃないですか。クリリングをプレゼントして躾けようかなぁ」
「ひぁっ、な、何それ。や、やだ、やだ!」

 湊の性器は私のお腹側、丁度陰核の裏側の位置をトン、トンと押し上げている。敏感な場所を外側から直接つままれ、内側からも刺激され続けて私の体は限界だった。
 シーツをぎゅっと掴んで耐えながら湊の言葉を何とか否定するが、湊は更に腰の動きを早くしながら悪戯っぽく笑う。

「えー? じゃあ天音先輩のクリちゃんこれからもっとお利口さんに大きくなりますか?」
「んあっ、あっ! も、イっちゃ……っ」
「天音先輩の短小包茎クリトリス将来性ありますか?」
「な、なるっ、おっきくなるもん! 私のクリトリス伸びしろあるからぁぁ……っ!!」





 毎日毎日、湊の指と舌であそこを弄ばれる日々――
 休日なんて朝から晩までずっとだし、学校のある日は登校前と昼休憩、放課後にたっぷり時間をかけて舐めしゃぶられている。
 今日もさっきまで家に来ていた湊に好き勝手弄られ、イカされていた。パンパンに腫れた陰核はまだ熱が引いていないし、このままじゃ本当に数年後には私のあそこはとんでもない大きさに成長しているかもしれない。

 でも順調に成長できなかったらクリリングを付けると脅されている。
 もしもそんな物を付けられたら下着に擦れるだけで感じるだろうし、クリトリスのこと以外考えられない体にされてしまう。クリを触ってと浅ましく懇願する自分の未来の姿が見える。
 想像するだけでじわりと濡れてしまうあそこが恥ずかしい。

 けど、もうそんな心配はいらない。私は強い決意で深夜の公園にいた。
 この生活から脱却するため、クリ責めばかり辛いと身を持って知ってもらうため……流れ星に湊の女体化をお願いするんだ!

 幸いにも今夜はイゾン流星群が見えるから、願いを叶えてもらうチャンスだ。
 一緒に見ようと誘ってきた湊を追い返し、公園のベンチで私は一人空を見上げている。真っ黒な夜空には星が瞬いているけれど、流れ星はまだ一つも確認できていない。
 湊はいつもやたらと朝早い。自分の体がピンチなことにも気付かず眠っているだろう。天使のような幼い寝顔を脳内再生すると口元が緩む。
 明日の朝、"ナニ"がなくなってることに気付いてびっくりするだろうな。反応を見てみたいし、昨日届いてた"あれ"を持って朝から湊の家に行っちゃおうかな。

「ふふふ……"あれ"のレビューすごかったし、湊泣いちゃうかもなぁ。"あれ"を使って女の子の体ってもんをわからせてやろう」
「――"これ"のことですか?」

 突然に、夜空を見上げる私の視界を薄ピンク色の丸っこいものが遮った。

「それそれ。クリオナホっていう女性用のオナホなんだって」
「わーっ、きつきつですね。中もすごい! こんな風になってるんだ。これ使ったら気持ちよくなれそうですね」

 五日前、湊を女体化させるという名案が浮かんだ日にこっそりアダルトサイトで注文したのだ。私の頭上で興味深そうな声とともにクリオナホの入口は広げられた。
 このクリオナホはクリトリスにぴったりと密着し、電源を入れるとイボイボになっている中が振動し、何度も何度もイッてしまうという高評価のレビューだらけだったのだ。
 しかも熱を持ちにくく長時間使用可能という高性能の商品だ。ちょっとお高かったけど、これで湊をイキ狂わせ――

「って湊!?」
「こんばんは。天音先輩」

 慌てて振り返ればベンチの後ろに湊が立っていた。
 いや、何で私の部屋に隠しておいた玩具を湊が持ってるの。今日会った際に持ち出されたのだろうか? 全く油断も隙もない。

「酷いなぁ。流星群見るなら僕も誘ってくださいよ。女の子が深夜の公園で一人きりなんて危ないですよ」
「あっ、そ、そうだね。ごめん。急に見たくなっちゃってさー……あはは」
「いいんですよ、先輩。流れ星にお願いしたいことがあるんですよね?」
「や、やー……あんまり流れ星見えないし、もう帰ろうかなって思ってたとこで」
「これからたくさんチャンスありますよ。僕も朝まで付き合いますから」

 にこやかだが、唇の端はぴくぴくと動いている。相当頭に来ているときの湊の癖だ。
 ……あ、これはまずい。私が何をお願いしようとしていたのかバレてる。

「せっかくだから"これ"使いながら見ましょっか? 天音先輩がこーんなエッチな玩具を買うくらい欲求不満だったことに気付いてあげられなくてごめんなさい。明日からはクリリングを使ってもっともっと天音先輩のクリちゃん成長させてあげますね!」
「ひぃっ……ち、違うのーー!!」


 ――こうして湊の体を女の子化してやろうという私の作戦は失敗に終わった。
 けど、諦めない。湊と一緒に年を重ねて、いつか結婚する、その時までには流れ星チャンスはいくらでもある。
 絶対、絶対に湊をわからせてやるんだから……!!
 そんなに嫌なら湊から離れるという選択肢が出てこない自分に少し呆れてしまうが、私は今日も湊に責め立てられながら決意を固めるのだった。
 

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