創作夢

□堅物委員長の秘め事
1ページ/3ページ

「はぁ……っ、ん、ぁ……っ」

 漏れそうになる声を押し殺しながら、あそこを机の角に擦り付けて快楽に浸る。
 垂れ流される私のぬるぬるの蜜でクラスメートの机が汚れていた。せっかくだから四隅を制覇してやろうと、更に別の角へ移動して擦りつけオナニーを再開する。

 放課後、クラスメートが帰った時間に教室へと戻り、こうして自慰行為にふけるのは私の日課となっていた。
 もちろん、いけないことをしている自覚はあった。こんな場面をもしも誰かに見られたらもう明日から学校に来られる自信はないし、もしかしたら大声で叫びながら衝動的に屋上から身を投げるかもしれない。

 でも――だからこそ興奮するわけで。

 教室の扉を全開にして、下着とスカートはその辺に脱ぎ捨てて。廊下から誰かの話し声が聞こえたら喘ぎ声をあえて少し大きくしてみたり……バレるか、バレないか、ギリギリのスリルを楽しみながら得る快楽は最高で、病み付きになっていた。
 私は人生が終了するかもしれないこの変態的行為をやめられず、満足するまで何度も絶頂を迎えてから帰るのだ。

「っ、イッちゃ……っ!」

 人知れず本日一度目の軽めの絶頂を迎えた。
 一回イッたら次の机に移動するのが最近お気に入りの楽しみ方。廊下側の端から順に使ってきたけれど、あと二回の絶頂で全クラスメートの机を踏破してしまう。

 さて次の机は……と、目をやった瞬間に冷や水を浴びせられた気分になる。
 うちのクラス委員長で学年主席の男子、有坂(ありさか)泉(いずみ)の机だ。

 私は彼が嫌いだった。
 委員長様だか学年主席様だかがどれだけ偉いのか知らないが、彼は私を目の敵にしている。彼いわく、私達が所属する特進クラスのレベルを下げているのは私だという。
 やれ勉強法を改善しろとか、やれ生活習慣がなってないとか口うるさく言われるのにはうんざりしている。

 今日も眼鏡に指を当てながら「小学生でも理解できる内容に噛み砕いてあります」と言って手作りの単語帳を寄越してきたから、その場で突き返してやったのだ。
 確かに私の成績は良くはないけれど平均程度に取れている。放っておいてくれればいいものを。当てつけのように机の角に置かれたままの単語帳が胸糞悪い。


 随分と白けてしまったが……いけ好かない委員長の机を飛ばし、最後となった机の角にあそこを押し当てる。そうして仕切り直しとばかりに激しく腰を動かした。

「ん……っ」

 ああ、クリトリスが擦れて気持ちいい……!
 静かな教室内で机がガタガタと音を立てている。気にも留めず摩擦による快感に身を委ねていると――

 ガタンッ!!

 廊下の端まで響き渡っていそうなすごい音がした。派手に倒れた教卓の裏に隠れていたらしい一人の男子生徒が動く――

「香坂さん! 何をしているんですか!!」

 トレードマークの黒縁眼鏡をクイッと上げながら立ち上がったのはあの堅物委員長だ。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ