Keep a secret
□ご褒美あげる
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机の上で脚を開かされて秘部が晒される。床に膝立ちになった時谷くんの視線がそこだけに注がれている。
時谷くんの手で脱がされた下着は片方の足首で丸まっている。万が一の時に素早く履くことができるとはあまり思えない。
「濡れてる……」
「あ、汗だよ」
「ふふっ、そうですね。もっとぐちゃぐちゃにしてあげないとご褒美とは言えません」
「んん……」
苦しいがとっさに出た言い訳がそれだったのだ。狭いブラの中で絞るように胸を揉まれる度に先端が擦れて刺激になる。
「はっ……綾瀬さんが濡れていく過程が見たいです」
「あっ! いやあっ!」
あそこに手が触れたと思ったら親指と人差し指で秘部を限界まで割り開かれる。
今まで閉じていて見えなかったはずの粘膜が時谷くんの目に入っている。室温は高いはずなのに晒された内側に触れる空気はひんやり冷たい気がした。
「い、嫌、嫌っ! 見ないでお願い……っ」
「あぁ……見られて感じてるんですね。膣からとろとろの蜜が零れてきた……」
こんなの恥ずかしすぎる。耐えられずに時谷くんの手を掴むけどびくともしない。
せめて見られないようにと時谷くんの前髪を思いきり引っ張る。痛くないはずがない。しかし、時谷くんは全然気にせずにとろんとした目で私の秘部を覗き続けている。
「可愛い……可愛い……」
「や、だ……はぁ…っ」
「綾瀬さん可愛い……」
可愛い可愛いと病的に繰り返しながら指先は乳首をコリコリと弄り始める。汗で蒸れたブラの中で器用に動かされる指先が私の体を緩やかに高めていく。
「弱い刺激でゆっくり濡れていく綾瀬さんの恥ずかしい場所……僕がずーっと見ててあげますね」
「あっ、も、やだ……ってばぁ……」
ぱっくり開かれた割れ目に熱い視線を受けながら胸には丹念な愛撫が施されていた。
乳首は二本の指に挟まれて指の腹で擦り上げられ、空いた残りの指と手の平で乳房を包みこむようにして揉みしだかれる。
気持ち良い。秘部の奥の方から溢れ出した愛液がまたお尻を伝っていく。
「あぁぁっ、机の上まで垂れちゃった。勿体ない……」
それを近くで見ている時谷くんからは熱っぽい声が上がる。
「胸を触っただけでもうぐちゃぐちゃだ……」
「ん……んっ、あっ!」
摘まれた乳首を上下に扱かれる。時谷くんの指が乳輪から先端まで何度も往復していく。気持ち良くてもこの刺激ではイケない。
晒されている秘部がじんじん疼いて、もどかしさでどうにかなりそうだ。
喋る度に興奮して少しずつ顔を近付けてくる時谷くんの熱い息が秘部に当たっている。
はぁはぁはぁ……と早いテンポで吹きかけられて、私ももう限界だった。
これよりもっと強い刺激を知っているからもどかしくて辛い。でも、下も触ってほしいなんて、自分でおねだりなんて、そんな屈辱的なことできない。
私は強要されているだけで決してこんな行為を望んでいるわけでは……
「綾瀬さん……ご褒美欲しい?」
「ごほーび……?」
あぁ……素直に頷いたらちゃんとイかせてもらえるんだ。
時谷くんは秘部から視線を逸らさない。私の顔も他の場所も見ることなく、瞬きすら忘れてそこだけに集中している。
何が彼をそこまで駆り立てているのかは謎だけど、私が返事をしない限りこの状態が続くのだろう。
自分自身でさえ直視したことがない場所だ。時谷くんの目にはどう映ってるんだろう。女性のあそこが美しい見た目をしていないことは理解している。
そんな恥ずかしい場所を至近距離で見られて、しかも私はきっと汗臭くて……あぁ、もうどうしたらいいの……。
「はぁはぁっ、綾瀬さ、ん……っ」
「あ……あっ……」
時谷くんが吐き出す息であそこを火傷しそうだ。
また距離が近付いたようで、もう少しでも動いたら時谷くんの鼻が触れてしまう。
割れ目を開いている親指と人差し指をもっと内側へ、ぐっしょりと濡れた場所へとずらしてくれたらいいのに。秘部に触れていたってそんな外側ではもどかしいだけだ。
今の私は間違いなく昨日の私とは違っていた。こういうことをされるのは四回目だから慣れてしまったのだろうか。
今はただただあそこが切なくて苦しいと思うばかりで恐怖心なんて感じていない。
「はぁっはぁっ、綾瀬さん、僕……っもう我慢できないです!」
「あっ? だ、め、だめ……っ」
両脚を更に大きく開かされて、時谷くんはそのまま勢いよくそこに吸い付いてきた。
ちゅうううっと卑猥な音を立てて溢れる愛液を飲み込んでいく。大きく開けたお口に私のそこは丸ごと食べられている。
加減もなく吸引されているが待ち望んでいた刺激だから強いくらいでちょうど良い。
「んぁあっ!」
がくがく揺れる腰を時谷くんに支えられて、私は上半身をのけ反らせながらイッてしまった。
「ん……綾瀬さんのここ、ひくひくしてるよ」
「んぁっ、そこで喋らな、で……」
時谷くんは吸い付くのをやめると割れ目に沿って舌を押し当ててくる。時谷くんが喋れば舌が振動して刺激が生まれてしまう。
もどかしさから解放されたばかりなのに舌が触れたままの秘部から熱が引かない。
「イッた時の顔見たかったな……」
そう残念そうに呟いてから動かなくなった舌は、秘部がひくついていることを私に自覚させる。濡れたそこにぴったりとくっついて静止した舌を動かしてほしい。
時谷くんが喋ったら気持ち良くなれる。
信じられないくらい淫らな考えだけど、そんなことを気にしている余裕はなかった。
「あ、あの、んっ……昨日のせいでまだ痛いから……だから……」
最後までしないで、というのは本心からの願いだった。本当は痛みはもう引いていたけれど、やはり再び挿入されるのは怖い。
何か喋ってと下心を持っているのがわかるのか、時谷くんは私のそこに顔を埋めたままこちらを見上げて動かない。
綺麗な顔の時谷くんが私の汚い場所に舌を這わせている。なんておかしな状況だろう。
「あっ……汗くさいでしょ! 離れて!」
学校に来る途中で全力疾走して汗だくになったし、今だって汗をかいている。
今の私、絶対汗くさい。しかもあそこの匂いなんて考えただけでぞっとする。
時谷くんの顔を離そうとした私の両手首は彼の左手によってひとまとめにされる。細い腕だけど私の力では振り払えない。
ならば、と後ろに下がろうとして、バランスが崩れた――
「わっ!」
「! 危ないっ」
机の上から落下する前に時谷くんが支えてくれた。ぎゅうっと抱きしめる時谷くんに私もしがみついた。
「綾瀬さんは本当にドジですね」
「だ、だって……」
優しく微笑んでいる時谷くんの顔を直視できない。
口の周りが濡れていてさっきまでの行為を思い起こさせる。それが唾液なのか私から溢れた液体なのか判別できないが、恥ずかしいことに変わりはない。
「んー……汗っていうか、綾瀬さんの味がします」
「な!?」
「それに匂いはいやらしいです」
「いやあー!」
べたついた唇をペろりと舐めながらの時谷くんの言葉に思わず絶叫してしまう。
「僕は好きですよ。綾瀬さんの味……だから、もっと舐めてもいいですよね?」
時谷くんが机の前で膝立ちをして私の太ももを抱え上げる。私は机の端に座らされて時谷くんの両肩にそれぞれの脚を乗せて、大股を開いた状態だ。
「ま、待って! さっきも言ったでしょ? まだ私のそこ痛いんだよ。いろんな意味で無理、かな?」
「今日は挿れないから問題ないです」
「ひゃっ」
問題大ありなのだが、これ以上文句は言わせないという悪意を含んだ吐息が秘部に当たる。ふぅーとわざと長く吹きかけられる息が私をまた変な気分にさせていく。
時谷くんはそんな私の様子を上目で見ながら勝ち誇ったように笑う。
「い、挿れないならする意味ないじゃんか!」
「意味ありますよ。僕が綾瀬さんにしてあげたいので」
時谷くんは膨れた顔で否定した。
だって時谷くんは私のことを好きじゃないのに……欲望が満たされないなら前戯なんてきっと必要としないわけで……
「僕は綾瀬さんが気持ち良くなってくれたら満足なんです」
「時谷く、ふぁっ! だ、め……だってばぁっ」
私の考えが伝わったのか時谷くんは不満そうに漏らし、秘部に再び舌を這わせた。
尖らせた舌で中から蜜を掻き出すように膣の入口をぐりぐりと刺激される。
舌が中を出入りする度にグチュグチュと卑猥な音が響くのが恥ずかしい。
「んんっ、イキそうになったら言ってくださいね」
「あ……あっ、そん、なの……わかんなっ」
時谷くんの舌が私のそこに深々と埋まっている。
膣の中は自分で触ったことがないし時谷くんに指を入れられても違和感だけだった。
だけど、舌は熱くて柔らかくて……表面はざらざらで、内側を擦られると気持ち良い。
もっとして欲しいと思ってしまうから、いよいよ頭がおかしくなったのかもしれない。
イキそうかもしれない。伝えた方がいいのかな。でも自分でもよくわからないよ。
「時谷く、私……! あぁあっ」
じゅぽじゅぽいやらしい音を立てて抜き挿しされる舌と時谷くんの鼻が陰核にぐりぐりと当たって、私はわけがわからないまま達してしまったようだった。
「はぁっ、綾瀬さんのイッた顔見ちゃった……」
恍惚とした表情をしている時谷くんが口の周りや鼻に付いた粘着質な液体を手の甲で拭っている。
それは唾液じゃないはずだ。変態的なことばかりするから綺麗な顔が台なしだよ。
「はぁ、はぁ……ゆーえんちは?」
「後でちゃんと連れて行ってあげます。それより、綾瀬さんまだ満足してないでしょう?」
「し、してる、よぉっ」
疲れ切っていてもうやめてほしいのに時谷くんはまた脚の間に顔を埋めた。唇で柔らかく挟んだ陰核を舌先でチロチロと舐める。
震える私を上目で見ながらイッたばかりの体を労るような優しい刺激を与えられる。
あそこを舐めるピチャピチャという水音を聞きながら、激しくなった舌の動きで私はあっという間に上りつめていく。
「あぁあっ、イく! また変なの、時谷くん……っ!」
「綾瀬さん可愛い……イッてください。んんっ」
陰核をじゅっと吸われて、目茶苦茶に転がされる。温かな口内でぬるぬるとした唾液に塗れながら、いやらしく音を立ててしゃぶられ続けている。
固くなった剥き出しの陰核に与えられる強すぎる刺激で、目の前が明滅する。
「んんっ、綾瀬さ、ん……じゅっ」
「と、きたに……く! あぁぁっ」
握られた手を強く握り返して、全身を震わせながら私は何度目かの感覚を迎えた。
一人ではもう机に座っていることすら困難な私を時谷くんが抱きしめる。
温もりに包まれて時谷くんの髪に顔を埋めると、ふわりと覚えのある香りがした。
「ねぇ、トリートメント変えたの?」
「えっ? い、いや別に! あの……はい……」
なんだかすごい動揺しているな。昨日バスルームで見たトリートメントと違うと思ったんだ。
だって……私とおんなじ匂いがする。
「良い匂いだよね。気に入ってるんだ」
「はい。綾瀬さんの匂いが恋しくて、昨日の夜から同じにしたんです」
時谷くんは私の顔を見つめながら嬉しそうに言うわけだが……匂いが恋しくて?
偶然同じ物を使っているわけではないの?
「……時谷くんの変態」
「う……ごめんなさい」
私の呟きを拾った時谷くんはうなだれている。
「ボディーソープも真似してるでしょ」
「うぅ……ごめんなさい」
「……ぷっ、あはははっ!」
私の追求に縮こまっていく姿が妙に可愛くて、思わず吹き出してしまった。
「ふふっ」
一瞬首を傾げた時谷くんもつられて笑う。
何故だろう。私と時谷くんの関係は昨日と何も変わっていないはずなのに少しだけ心が近付いた気がする。
勘違いかもしれない。それでも良い。
時谷くんに嫌われていると考えて落ち込んでばかりいるのは寂しいことだから。