遊戯王

□灼熱の王
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遊戯は、灼けるような夢を見ていた。
遠い沙漠の、重くのし掛かるような太陽に殺される夢。
身体中の水分を奪い尽し乾いた皮膚を破けば、終いに骨を溶かされ意識だけがそこに残る。
断末魔の叫びを上げることもできずに、遊戯は死んだ。だが、それでも太陽は、残った遊戯の意識さえも灼きつくそうと、ひどく躰をぎらつかせている。
全体、自分を消してどうしようと云うのだろう。遊戯は輝かしい太陽に孤高の風を感じていた。それはどこか、懐かしい人物を連想させる不可思議なものでもあった。

意識がほぼ熱に侵されかけたとき、遊戯を呼ぶ低い声が覚醒を促すように沙漠に響いた。
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