普通の小説ワールド2

□ラグナロク
2ページ/32ページ



―AD 2049―

the Indonesia Islands

 

 

 

 

 

「ひるむなあ!!
絶対にこの前線を突破させるなあっ!!」

『おうっ!!』

男がそう言うと、他の連中は士気を上げ、さらに攻撃の手を強める。

 

 

 

 

カチッ

 

俺は電源を入れた。

計器に電力が供給され、
モーターがアイドリングを始める。

 

(よう、双馬。
景気はどうだ?)

モニターが開き、スピーカーから声がする。

「エイジ、それより火器の準備は済ませたのか?」

(してないんじゃない?
どっかの誰かさんは、さっきまでデッキで女の子のお尻を追い掛けまわしてたんだから)

間を割って、スピーカーから女の声がする。

(カリンちゃーん。
俺はいつだってカリンちゃん一筋だぜ?)

エイジが言う。

(名前で呼ぶな。
馴々しい)

「ははっ…カリンは準備は済ませた?」

(もちろんよ双馬。
あたしはどっかの誰かさんとは違いますから)

すると、淋しそうにエイジが言う。

(カリンちゃーん…
何で双馬は名前で呼んでもいいのさ?)

(貴様は双馬とは違う)

冷たく言い放つカリン。

(そんなあ…
何とか言ってよ…
ユキちゃーん…)

そう言うエイジに俺は…

「俺を名前で呼ぶなあ!!」

叫んだのだった…

 

 

双馬ユキ。

市村エイジ。

神山カリン。

 

俺達三人は、双馬工業インドネシア工場私設部隊の隊員である。

今ここ、インドネシア工場は、アフリカ連合軍により、執拗な攻撃を受けている。

オーストラリア支部、そして日本からの、日米海洋攻撃艦隊が到着するまで、何とか持ちこたえなければならない…

 

「よし…
相手はプリーストとフロッグ、合わせて約20体。
勝てない相手じゃない。
行くぞ!!」

(まかせて!!)

(楽勝じゃん?)

そして…

俺達三人は、ドックから出撃した…
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ