普通の小説ワールド

□不幸な天使はお嫌いですか?9
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「結局今日は何も決まらなかったねぇ」

たった一日ではみんなの考えがまとまらず、今日は各自家でそれぞれの考えを決める事となった。

「そうですわね。
けれど、喫茶店にカレー屋さん、今日出ました案は、どれもこれも町に行けば済む話ではありませんこと?」

「学校で、みんなでやるから楽しいんだよ」

 

俺とチャオとティナは、帰りの道すがら、文化祭の出し物を考えていた。

しかし、ありきたりな考えしか浮かばない。

喫茶店にカレー屋さん、お化け屋敷にetc…

まあ、確かに簡単な出し物しかできない。

あまりにも準備期間が短かすぎる。

 

「でも楽しみだねぇ」

チャオの嬉しそうな顔を見ていると…

文化祭。

成功させたいと思った。

 

 

 

「よーし。
みんなが考えた案。
聞かせてもらおうか?」

 

翌朝、学校

 

ホームルームが始まったとたん、カマ先は教卓の椅子に足を組みながら座り、そう切り出した。

「つってもよ、たった一晩考えただけじゃな…
ってか、何で偉そうなんだよ?
カマ先のせいだろが?」

「はい、うるさい」

カマ先は、男子を一蹴するが、その頬には汗が流れていたりする。

 

しかし…

やっぱり出てくる案は、ありきたりなモノばかり。

たまにトンチのきいた案もあったりしたが、女子の反感を買い、却下。

まあ…

内容は言えないけど…

 

「なんだなんだ?
みんな、ろくな案がないじゃないか?」

呆れた様に言うカマ先。

「なんだよ?
じゃあカマ先は、何かあるのかよ?」

「ああ。
居酒屋なんてどうか?

と、校長に持ちかけたら、なぜか怒られた」

『当たり前だぁっ!!』

さらっと言ったカマ先に、みんなでツッコンだ…

 

ふう…

また今日も決まらないのかなあ?

頬杖をつきながら、そんな事を考えていると…

「なあ、柳沢」

一人の男子が話し掛けてきた。
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