普通の小説ワールド

□不幸な天使はお嫌いですか?6
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「ティナちゃぁん。
ところでぇ、何でこっちに来たのぉ?」

勇太の部屋

あの後、なぜかティナまで一緒になって朝ご飯を食べてから、勇太の部屋に集まってきた。

ティナが来てから、チャオは今までにないくらいはしゃいでいる。

 

「んもぅっ!!
うっとおしいですわ!!
あんまりベタベタしないでくださいます!?」

さっきからずーっと抱きついたりしているチャオを、ティナは引き離す。

「だあってぇ、久しぶりなんだもん」

引き離されてもなお、チャオはにこにこしている。

 

「あー…
ところで…」

「何ですの?」

勇太はおずおずとティナに声を掛ける。

ティナは、髪をかきあげながら聞いてくる。

「なんでまた…
ここに来たの?」

勇太の質問にティナは…

 

「もちろん。
派遣員見習い、チャオ・イーリーさんと、担当を交替するためですわ」

 

 

 

 

 

『えええぇええええ!?』

ティナの言葉に、勇太とチャオは絶叫する。

『何で何で何で何で!?』

またもやハモって言う勇太とチャオ。

「あ…でも待って…
何となく分かる…」

「何でですかぁっ!?」

こめかみを押さえながら言う勇太に、チャオがくってかかってくる。

「何でと言われても…
よく分かれよ…」

勇太は他に言う言葉が見つからない。

 

「その通りですわ。
あまりにも危機を回避する割合が低すぎるため、課長直々に、わたくしが任命されたのですわ」

「お姉ちゃんがぁ!?」

ティナの言葉に、チャオが反応する。

セリーナさんて、課長なんだ?

 

ティナは、チャオに人差し指を突き付け…

「今回のわたくしの任務はただ一つ。
あなたを観察して報告する事ですわ。
成績次第では、わたくしとの任務交替もあるとの事ですわ」

そう言って、ティナはメモ帳を開き…

「あーら、チャオさん?
何かしらこの成績?
あなたこんな事ではクビですわよ、クビ」

ティナはメモを閉じ、目をチャオに向ける。

 

「では早速…
お手並み拝見ですわ」

にやりと笑い、そう言ったのだった…
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