普通の小説ワールド
□不幸な天使はお嫌いですか?3
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空港
俺はチャオと一緒に、親父を迎えに来ている…
…
何でチャオまで…
よく思い出せ、俺…
「なぁに、チャオちゃんならお父さんも気に入ってくれるわよ」
何の根拠があるのか分からないが、お母さんはいきなりそう言った。
「どうしてそう言い切れるんだよっ!?」
俺はテーブルに身を乗り出して言う。
「前に、ミラクルで俺に彼女が出来て家に連れてきた時だって…
生年月日やらテストの点数やら成績やら家族構成やら、質問責めにして…
おかげでその日に別れちゃったんだよ!?」
あれは最悪だった…
「なぁに、あんたならその内別れてたわよ」
あんたそれでも親か?
隣ではチャオが、一心不乱にチーズケーキを口に詰め込んでいる。
さすがにこれでご飯は食べないみたいだが…
自分の問題だって事を理解してるのかな?
ふ…と、チャオと俺の目が合う。
にこっ…と…
口のまわりに食べカスを付けたまま、満面の笑みを浮かべるチャオ。
…
やっぱ分かってねえや…
「まあ何にしても、お父さんは明後日には出張先の大学から帰ってくるんだから、しっかり出迎えするのよ?」
…と…
何の問題も解決しないまま、お母さんは軽く言ったのだった…
そうだ…
それで今…
俺は…チャオと一緒に空港にいるんだっけ…
どうしよう…
そろそろ親父が到着する時間だ…
チャオが変な行動おこさなけりゃいいけど…
そして…
重っ苦しい空気と共に…
「久しぶりだな…
勇太…」
親父が帰ってきた…