普通の小説ワールド

□不幸な天使はお嫌いですか?3
2ページ/15ページ



空港

 

俺はチャオと一緒に、親父を迎えに来ている…



何でチャオまで…

よく思い出せ、俺…

 

 

 

「なぁに、チャオちゃんならお父さんも気に入ってくれるわよ」

何の根拠があるのか分からないが、お母さんはいきなりそう言った。

「どうしてそう言い切れるんだよっ!?」

俺はテーブルに身を乗り出して言う。

「前に、ミラクルで俺に彼女が出来て家に連れてきた時だって…
生年月日やらテストの点数やら成績やら家族構成やら、質問責めにして…
おかげでその日に別れちゃったんだよ!?」

 

あれは最悪だった…

 

「なぁに、あんたならその内別れてたわよ」

あんたそれでも親か?

隣ではチャオが、一心不乱にチーズケーキを口に詰め込んでいる。

さすがにこれでご飯は食べないみたいだが…

自分の問題だって事を理解してるのかな?

ふ…と、チャオと俺の目が合う。

にこっ…と…

口のまわりに食べカスを付けたまま、満面の笑みを浮かべるチャオ。



やっぱ分かってねえや…

 

「まあ何にしても、お父さんは明後日には出張先の大学から帰ってくるんだから、しっかり出迎えするのよ?」

…と…

何の問題も解決しないまま、お母さんは軽く言ったのだった…

 

 

 

 

そうだ…

それで今…

俺は…チャオと一緒に空港にいるんだっけ…

 

 

どうしよう…

そろそろ親父が到着する時間だ…

チャオが変な行動おこさなけりゃいいけど…

そして…

 

 

重っ苦しい空気と共に…

 

 

 

「久しぶりだな…
勇太…」

 

 

 

親父が帰ってきた…
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ