普通の小説ワールド

□不幸な天使はお嫌いですか?
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な?

不幸だろ?

学校から家に着くまでだって…

ドブにはまったし…

野良犬に追い掛けられ…

週刊誌も売り切れてて…

家に着いて、携帯を見たらメモリーがキレイに消えてたし…

送受信メールも着信も発信もアドレス帳も画像も音楽も全部!!

どう思う!?

 

 

―返信―

 

 

はあ…

家に着いても、俺の不幸は止まらない。

 

今日のお昼に、学食でカレーを食べたら夕飯もカレーだし。

風呂に入ろうとして、服を脱いで風呂場に入ったらお湯張ってないし…

風呂上がりに牛乳飲んだら大当たりだし…

トイレで唸ってたら紙がなくって、親を呼んでもテレビの音が大きくて聞こえてないし…

部屋に戻ったら、携帯が鳴ったので開いてみたら出会い系だし…

 

 

スケールが小さいって?

 

はあ…

分かってないなあ…

小さくても、こうたて続けに不幸が訪れると…

ホント嫌になるよ…

 

 

 

俺は窓際に座り、夜空を眺めている。

幸せなヤツらも、どっかでこの星を眺めてるんだろうなあ…

俺は夜空に向かい、両手を組み祈ってみる。

 

 

お願いです神様!!

俺を幸せに…はキツイかも知れませんから…

今よりほんの少しでいいんです。

もう少し不幸じゃない人生歩ませてください!!

あ…

出来るなら幸せにしてくれたら嬉しいです!!

 

 

 

俺は泣きそうになった。

 

 

 

何してんだ俺…

バカバカしい…

今日は少し早いけど寝ようかな…

 

 

その時。

俺の携帯が鳴った。

俺は携帯を開き、宛先を確認する。

 

 

そんな…

宛先に何も書いてない…

 

俺はおそるおそる本文を開いてみる…

 

 

するとそこには…

 

 

 

 

 

 

 

おめでとうございます!!

抽選の結果!!

なんとあなたの願いは、神様に聞き入れられました!!

あなたを不幸から救うために、本日はあなたに一人の天使をアドバイザーとして付けさせていただきます!!

窓の外を御覧下さい!!

 

 

 

なんだこりゃ?

新手の詐欺か?

ふ…と窓を見ると… 

 

 

 

「はぁい」

 

二階の窓の外に…

 

 

 

 

女の子がいた…
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