普通の小説ワールド
□アンリミテッド
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(ん…)
どうやら俺は、昨日から泊まっている部屋のテーブルでうたた寝をしていた様だ…
俺は夢を見ていたみたいだ…
楽しい夢じゃなかったって事は、頬につたう涙の跡が教えてくれる…
その頃、宿のカウンターで一人の女性…
いや…まだ少女だろうか?17-8歳の女の子が、まだ若い宿の女将と話しこんでいた。
「ですから、今日は満室なんですよ」
女将が言う。
「ちょっとこれ見せてね」
そう言うと少女は女将から宿帳を取り上げる。
「ふんふん…!?…パッセル・レトモント…」
少女…肩までのばした艶やかな栗色の髪。
くりくりっとした瞳。
まだ幼さは残るが、可愛らしい顔立ちの少女はやおら一人の名前を見てとると…
「相部屋お願いね」
そう言い放つと、うろたえる女将を無視してその部屋へと向かって行く。
その頃、宿の一室。
俺は涙の跡を洗い流して着替えている。
この町で「あいつ」の情報を集めなくては…
俺は着替えを終え、荷物を残してドアの鍵を…
ごりっ!!
俺はいきなり開いたドアに頭を打ち付け…
意識がなくなる直前…
栗色の髪の少女が見え…
俺は……