普通の小説ワールド

□不幸な天使はお嫌いですか?10
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しゃっ…

しゃっ…

 

じろり…

と…

今、ヤスリで磨がれたばかりのナイフを見る。

 

「枕崎ぃ…
次は…」

男…

一ノ瀬宏樹は…

薄暗い部屋の中で…

 

 

 

 

「殺してやるよ…」

そう…

つぶやいた…

 

 

 

 

―天使の再会―

 

 

 

 

「フンフン♪」

リビングのソファーを占領して、マンガを読んでいるチャオ。

向かいのソファーでは、俺とティナが晩ご飯までの暇つぶしに、ポーカーをやっていたりする。

 

「フラッシュ…
ですわ…」

「あ、ゴメン。
俺フルハウス」

そう言って、手札を確かめる二人。

「ねえ…
そろそろやめない…?」

「だめですわ!!
勝ち逃げなんて、絶対許しませんことよ!!」

うんざりしながら言う俺に、ティナは声を張り上げ、カードを集める。

しかしティナは負けず嫌いだな…

まあ、俺もかなり連勝しているからな…

てか、こんなトコで運使い果たしたりしたら、どうしよう…

 

「ほら!!
勇太様が親ですわ!!
さっさとカードを配ってくださいませんこと!!」

仕方ないなあ…

そんな事を考えながら、カードに手を伸ばした…

その時。

 

「ほら、みんな。
ご飯が出来たわよ」

よかった…

ありがとう。

お母さん。

マジで。

 

お母さんに呼ばれ、カードを片付けるティナ。

そして、俺とチャオとティナはキッチンへ。

いつもと変わらないチーズご飯。

いつもと変わらないチャオとティナ。

 

そんな時。

 

『あっ!?』

 

いきなり、チャオとティナが叫んだ。

 

 

 

 

 

チーズが残り一切れになってしまったから…

 

 

 

平和だなあ…
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