普通の小説ワールド

□不幸な天使はお嫌いですか?7
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夏休みも終わり…

始業式の日…

 

よりにもよって、チャオとティナが学校に…

しかもこの時期に…

 

ありえない…

ありえないけど…

 

 

 

 

「勇太さぁん!!
見て見てぇ!!
制服制服ぅ!!」

「何ですの?
女性をあまりじろじろ見るのは、失礼ではありませんこと?」

 

 

 

 

 

生きててよかったと思いました。

 

 

 

―天使の嫉妬―

 

 

 

ガラガラバンッ!!

 

けたたましい音を立てて、教室の扉が開く。

そこに、はあはあと、肩で息をする男子生徒が一人。

 

「大変だ…みんな…」

ざわり…

教室が静まり返り、みな、男子生徒に注目する。

ごくり…と、誰かの生つばを飲み込む音が聞こえた気がした…

しばし…

沈黙があり…

 

 

 

 

 

「留学生の二人…
両方共女子で、両方共超美人でしたーっ!!」

『うおおおおおおお!!』

教室は、さながら戦場の様に熱くなる。

他の男子達が騒ぐ中、俺だけはあくびをしたりしている。

まあ…

そりゃあ、チャオを見れば、誰だってかわいいとは思うだろうな。

 

「ねえねえ。
柳沢君は興味ないの?」

後ろの席から、女子が話し掛けてきた。

この子は栗原早苗さん。

その…

俺が前に、ミラクルで付き合う事の出来た女子…

クソ親父め…

 

「興味ないってワケじゃないけど…
何と言うか…」

「みんな来たぞ!!」

俺の言葉をさえぎり、男子の一人が叫ぶ。

みんなは、そそくさと自分の席に着き、髪型を整えたりしている。

カラカラカラ…

教室の扉が開き、まず先生が入ってくる。

その次にチャオが姿を現わして…

 

「わーい!!
勇太さぁん!!」

俺を見つけるなり、手をパタパタと振るチャオ。

「ばっ!?
バカ!?」

時すでに遅し。

『柳沢勇太〜…』

クラスの男子が、俺の周りに集まってくる。

「勇太さぁん!!
緑クラスでぇっ!!」

チャオが叫ぶ。

 

「クラスメートに注意…
ですぅ…」

 

 

 

クラスの男子達に、ボコメチャにされました…

 

 

 

「ふぅん…」

栗原さんは、面白くなさそうにチャオを見ていた…
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