普通の小説ワールド
□不幸な天使はお嫌いですか?6
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あ〜、夏休みも後少し…
まあ…
色々あったなあ…
これから学校が始まり…
またいつもと変わらない生活が始まって…
…と思ったら…
「あーら、チャオさん?
何かしらこの成績?
あなたこんな事ではクビですわよ、クビ」
天使が一人増えました…
―天使の友達―
「おはようございます」
朝
寝ている勇太に、誰かが声を掛ける。
「おはよう…チャオ…
今日はゆっくり寝かせてくれよ…」
勇太はタオルケットで顔を覆い、答える。
「チャオさんなんかではありませんわ。
あんな落ちこぼれと一緒にしないで下さいませ」
勇太はそう言われ…
がばあっ!!
っと、起き上がる。
そこには、透けるような白い肌、艶やかな絹の様な黒髪の美人がいた。
しかも、初めてチャオと出会った時と同じ、白い服に羽を付けている。
「え…だ…誰…?」
まあ…
なんとなく分かるけど…
するとその女性は、無駄なポーズをつけ…
「天界不幸者救助連盟、二級救助員…
ティナ・ブラウニーと申しますわ」
そう言ったのだった…
一階
勇太がキッチンに移動すると、なぜかティナまで後を着いてきた。
そして…
「あっ!?
あなた!!
何堂々と、対照以外の人と食事をしていらっしゃるのですか!?」
ティナは、キッチンでお母さんと一緒にご飯を食べているチャオを見るなり、そう叫んだ。
しかし、声はすれど、ティナの姿がない。
ふ、と足元を見ると、小さくなっているティナが、何やら暴れていた。
「あ〜。
ティナちゃんだぁ。
久しぶりぃ」
小さくなっているのは無意味と悟ったか、ティナは普通サイズに戻る。
お母さんは、もはやびっくりもしない。
そして、ティナは髪の毛をかきあげながら…
「気やすく声を掛けないで下さいます?
落ちこぼれ派遣員の、万年見習いさん」
ティナがそう言うと…
「あたしと同期でぇ…
やっとこ去年、二級派遣員になったばかり…」
「その事は言わないで!!」
チャオの言葉をさえぎって、ティナは耳をふさぎながら叫んだ。
あんまりチャオと変わらないんだね…