普通の小説ワールド

□不幸な天使はお嫌いですか?5
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「あーそうですかっ!!」

「えーそうですよぅっ!!」

 

夏休みも半ばになり…

俺とチャオは…

 

 

 

ケンカしました…

 

 

 

―天使の本音―

 

 

「そんなに嫌だったら出てけばいいじゃん!!
天界にでも帰れば!?」

俺は強い口調で言う。

「何でそんな事言うんですかぁっ!?
勇太さんはワガママすぎますよぉっ!!」

チャオも負けじと声を張り上げる。

リビングでは、延々と俺とチャオの口ゲンカが繰り広げられる。

 

「ほらほら…
二人とも、朝っぱらからいい加減にしなさいな」

お母さんが割り込んでくるが、俺とチャオはまったく取り合わない。

 

「あたしがいなくなっちゃったらぁ!!
勇太さんが困るんじゃあないんですかぁっ!?」

マジに無茶な事を言ってくるチャオ。

「何言ってんだよ!!
いつもいつも食い止められないくせに!!
別にチャオなんかがいなくなったって、今までと変わらないね!!」

俺は腕を組み、そっぽを向きながら言う。

 

「うぅっ…!!」

チャオが呻く。

ふっ…

勝った…

と…

俺が勝利の余韻にひたっていると…

 

「勇太さんのバカぁ!!」

チャオは泣きだし、そのまま家を飛び出していってしまった…

 

「あらあら…
勇太、あんたチャオちゃんを泣かせたわね…」

お母さんは、頬に手を当てながら言う。

「だから何だよ!?
別に俺は何も悪くないじゃんか!!」

 

いや…

原因は些細な事で…

昨日の夜、お母さんが珍しいチーズを見つけて買ってきたんだけど…

朝、一つ残ってたから、どんなもんかと味見をしてみたわけなんだ…

そしたらチャオが…

 

「ああああっ!?
ひどいですぅっ!!
朝食べようと思って残しておいたのにぃっ!!
勇太さんのバカぁっ!!」

 

…と、こうである。

ねえ!!

俺悪い!?

悪くないよね!?

 

ただ…

 

チャオが家を飛び出していった時…

 

 

 

チャオの本が青く光っていたのが気になった…
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