普通の小説ワールド

□不幸な天使はお嫌いですか?4
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リビング

 

チャオは朝からテレビに釘づけで…

いや、違うな…

チャオは朝からテレビにかじりついて…

これも違うな…

 

誰か、テレビに抱きついてブラウン管に顔をべったり押しつけてテレビを見ている状態を、何と言うのか教えてください…
 

 

 

―天使の落とし物―

 

 

ったく…

チャオは一体何を見てるんだ?

まあ…

音で分かるけど…

 

そして、その番組が終わると、チャオは瞳をキラキラさせて振り向く。



「ラブリーランド…」

まさか…

「ラブリーランドぉ…」

連れてけと…?

「らぶりぃらんどぉ…」

 

 

 

 

結局連れてく事になりました…

 

東京ラブリーランド

 

おそらく日本一の行楽遊園地であるここを、いまさら説明するまでもなく皆知っているだろう。

しかし…

夏休みだけあって、人の数も半端ではない。

そんな中…

チャオはものすごい勢いではしゃいでいる。

 

「勇太さぁん!!
ジャッキーマウスです!!
ああっ!?あっちにはレオナルドダックがぁっ!?」

今日び子供でもそこまではしゃがないぞ…

 

「おーい!!
あんまり走り回ると転んじゃうぞー!!」

俺は、風船を配っているジャッキーマウスに駆け寄るチャオに言う。

「大丈夫ですよー!!
あきゃっ!?」

ほらつまづいた!!

 

ふわりっ…と…

ジャッキーマウスはチャオを受けとめた。

そして、ジャッキーマウスが持っていた風船は空高く飛んでゆく。

 

「あ…ありがとぉございますぅ…」

チャオがお礼を言うと、ジャッキーマウスは首を縦に振る。

「すみませんでした…
あの…風船、お金はらいます」

俺がそう言うと、ジャッキーマウスは両手と首をおおげさに横に振る。

「けど…」

するとジャッキーマウスは左手を腰にあて、右手の人差し指を立て左右に振り、チッチッチ…とやってみせた。

そして、ワゴンにくくり付けてある風船を一つ外して…

どうぞ、みたいな感じでチャオに手渡す。

 

「ありがとぉ」

チャオは満面の笑みで風船を受け取った…
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