普通の小説ワールド
□不幸な天使はお嫌いですか?2
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朝
窓から差し込む光が…
ポカポカしてて気持ちがいい…
こんなすがすがしい朝から俺は…
「遅刻だああああああ!!」
慌ただしかった…
―天使の贈り物―
「勇太さん何やってるんですかぁっ!?」
小さくなったチャオが、俺の内ポケットで何やら騒いでいる。
チャオが俺の所に来てからもう二週間…
だけど、今だに回避出来たのは、一回だけ…
「もっと早く起きないとダメですよぉっ!!」
「お前が言うな!!」
俺が朝から慌ただしくしている時も、チャオはぐーすか寝ていた…
家を出る直前に、新しく買ったおもちゃのベッドで寝ていたチャオをひっつかみ、慌てて家を飛び出してきたのだ。
もう間違いなく遅刻なのだが…
それでも歩いていくわけにもいかないので、俺は今、思いっきり走っていた。
「ああっ!?
朝っぱらから本が緑に!?
人に注意ですぅぅぅ!!」
かなりアバウトな説明をするチャオ。
何人いると思ってる?
人に注意って…
今の俺…
全人類が敵?
俺は急いで角を曲がり…
どんっ!
人にぶつかった…
ここでぶつかったのが、同い年くらいの女の子だったら、おおっ?ここから恋が始まるのか?
って感じだけど…
「痛ぇな…こら?」
相手が枕崎剣吾さんじゃ、そうはならないよな…
「おお?てめえ、どこ見て歩いて…って?
おめえ、一年のオタク小僧じゃねえか?」
俺の胸ぐらを掴んだ枕崎先輩は、俺に気付くとその手を離す。
(色…消えました)
チャオが小さい声で言う。
ば…ばかっ!?
「あん?」
枕崎先輩は、きょろきょろと辺りを見回す。
「気のせいか…」
助かった…
「まあいいや…
ちょうどいい…
お前に、前から聞きたい事があってよ?」
「な…何ですか?」
枕崎先輩は、俺を道の端に連れてゆき、まわりを気にしながら小声で…
「あん時の人形…
どこで買ったんだ?」
…
はい?