普通の小説ワールド

□不幸な天使はお嫌いですか?
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「ごめんなさい…
あたし…今は受験に専念したいの…」

 

 

 

…と言うわけで…

いきなりフラレた俺は…

ただ一人、校舎裏に取り残されたのだった…

 

 

 

―柳沢勇太―

 

 

俺は柳沢勇太。

普通の高一。

顔は悪くないはずだし…

勉強もまあまあ。

普通の高校生。

ただ一つの自慢は…

 

 

 

普通の人をぶっちぎって不幸である事…

 

 

どのくらい不幸かって?

はあ…

まあ見ててよ…

 

 

今しがたフラレた俺は、とぼとぼと歩いている。

「ちぇ…
受験なんてまだまだ先じゃんかよ…」

今は放課後。

げた箱に向かって、それから帰るつもりだ。

さっきフラレてから、およそ一分。

校舎と体育館を結んでいる渡り廊下。

そこに差し掛かったとたんに…

 

ガッ

 

すのこ板につまずき…

 

ガシッ

 

体育着姿の女生徒に抱きついてしまった。

 

「きゃあああああああ!!」

女生徒が叫ぶ。

「ちっ!ちがっ!
今つまずいて…!?」

ボグオッ!!

 

 



バレー部の女子達に…

手元のボールがなくなるまで、サーブ攻撃をくらいました。

 

 

 

「いてて…
話を聞けって…」

俺はふらふらしながら、砂まみれの制服の汚れを落としに、水道に向かっていた。

サーブ攻撃からここまでおよそ一分。

「くそっ!!」

俺は足元の小石を蹴る。

 

カンッ!

 



蹴った小石が人に当たってしまった…

当たった相手は…

 

 

 

超不良で有名な…

三年の枕崎剣吾さん…

 

 

 

ずどどどどどどどどど!!

「待てやコラアアアア!!」

「ひいいいいいいいい!!」

追う枕崎さん。

逃げる俺。

そして…

 

 

 

 

ボコボコにされました…
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